三十三間堂=麩焼
炎=有平糖 柳・矢=生砂糖






雀=片栗
ちしや=生砂糖






いちじく・とうがん=こなし
はじかみ・ごぼう・むかご=生砂糖
にんじん=ういろ しいたけ=片栗

くねんぼう=薯蕷






まな板・なずな=生砂糖
大根・蕪=有平糖







夕空=生砂糖 とんび=落雁
下駄=餡平


[表千家]
常盤饅頭・・・千年かわらないという松の翠から、白い薯蕷饅頭に緑色に染めた白小豆を包んだもの。二つに割ると、あたかも雪をかむった松を思わせ、正月の瑞雪にも似た気品のある菓子、大勢の初釜等に食籠で出されたりする。

[裏千家]
菱葩餅・・・丸く平らにした白餅に、赤い小豆汁で染めた菱形の餅を薄く作って上に重ね、柔らかくしたふくさ牛蒡を二本置いて、押し鮎に見立てたもの。餡は京の雑煮にみたてて、白味噌餡を使用する。

[武者小路千家]
都の春・・・「柳は緑・花は紅」という言のように、京の春を、緑色と紅色で染め分けて表し、小豆餡を芯に使ったきんとん仕上げの菓子。同千家では、点初(初釜)に用いるのが恒例になっている。干支煎餅・千代結びの組合わせは、薄茶の席に用いる。

[薮内流]
葩餅・・・他流な方々や社中を招いての初釜とは別に、「大福茶」とよばれる、流祖をはじめ、歴代に供える一服、本願寺で献じる正月の茶がそれである。新春を迎え、心身共に引き締めた仲で点てる一服、その後家族揃っての一服の時に出る菓子として葩餅をあげることができる。銘々皿は「千の宇盆」を用いる。

[遠州流]
紅白饅頭・・・紅白の饅頭を、小堀家の正式な大きさに作って、蒸したてをお出しする。口取りに結び千瓢を添えて、新しく作った片木木地盆に水をよくきかせて盛る。薄茶には、紅白の花氷を恒例としている。

[江戸千家]
蓬莱山・・・初釜には以前は笑窪饅頭をよく用いていたが、近年は蓬莱山を用いている。主菓子として小さく切った焼き餅を出す。大勢の場合は高杯に盛る。

[松尾流]
殊光餅・・・餅を焼かずに湯で温め、上に山椒入り京白味噌をのせる、取り合わせに千代結びと牧谿を使う。

[大日本茶道学会]
菱葩・・・祖父仙樵の頃は、箙餅に初釜に使っていたが、宮中の雑煮の形に似せ、餅粉をのばした皮に菱形の紅の餅を入れ、味噌仕立ての餡を入れ牛蒡と包む、有平の若松、京種の丹頂鶴の千代の春も用いる。初釜までは、「初詣」を使う。
<菱葩餅>

京菓子は、四季折々の美しさを映して、12ヶ月の銘も整えられています。季語、年中行事に因んだ数多くの茶菓子は、茶の湯によって洗練され、歳時記にしても興味深いものであります。ここでは宗家に使われている代表的なお菓子を取り上げてみました。

[花びら餅(菱葩)(裏千家初釜)] 菱葩は、現在は菓子化して品位ある風雅な餅菓子となっているが、白餅を丸く平にして、赤い小豆汁で染めた菱形の餅を薄く作って重ね、ふくさ牛蒡を2本置く。これは押鮎に見立てる(鮎は年魚と書き、年始に用いられ、押年魚は鮨鮎の尾頭を切り取ったもので、古くは元旦に供えると「土佐日記」にある)。また雑煮の意味で味噌を使用してある。明治中期のころのもので、道喜から売り出したものである。始めは搗餅であったが、最近は求肥となっている。一般に葩餅またはお葩というのは、菱餅のないもので、菱餅の重ねられたものを菱葩というのが正語である。葩は「山家集」に花くだものといって団扁にして花弁に似たるとあって、梅や桜などの花びらに見立てたようである。毎年こま盆にのせ裏千家初釜に使用されている。
写真は、京菓子協同組合青年部穏歩前進より掲載。

当ページに掲載されている情報・画像を、無断で転用・複製する事を禁じます。