男の子を祝う節句は、5月5日の端午の節句、菖蒲の節句とも呼ばれ、古くからこの日には、魔よけとして、菖蒲やよもぎを軒先にさしたり、菖蒲湯をわかしたり、粽や柏餅を食べたりしたが、男の子のある家では、この粽や柏餅を親類や知人に配った。武者人形や鯉のぼりを飾って祝うようになったのは江戸時代になってからで、粽は中国の風習がそのまま伝えられたもので、紀元前277年の5月5日、楚の政治家であり詩人であった屈原が、秦の始皇帝に滅ぼされる祖国の運命を嘆いて、汨羅の淵に身を投げた時、その霊を慰めようと竹筒に米を入れ命日に川に沈めたのが始まりである。日本渡来は平安前期とみられる。粽の名は、餅米をチガヤ の葉で三角にくるみ、イグサでくくって灰汁にひたし、蒸したことに由来する。柏餅は、江戸時代(正保年間)に作られ、うるち米の中にみそ餡を包み、カシワの葉でくるんだものが多く、後に塩餡にかわった。
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